960年頃より後 在原行平「翁さび、、」@伊勢物語 百十四段

昔、 仁和のみかど、 芹川に行幸したまひける時、 今はさること似げなく思ひけれど、 もとっきにけることなれ ば大鷹の騰飼にてさぶらはせたまひける、 掴綱雄のたもとに書きつけける。 翁さび人なとがめそ狩ごろも今日ばかりとぞたづも鳴くなる おほやけの御けしき脱離しかりけり。 おのがよはひを思ひけれど、 若からぬ人は聞き負ひけりとや。

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山本(1996)が、「 「翁さび」 の歌は、 後撰集 (巻十五・雑一 ・ 一 〇七五~ 一 〇七六) に、 在原行平の作として、 同じ作者によ っ て同じ機会に作られた別の一首と並んで次のように収められており、 それと比較すれば、 伊勢物語のこの章段が、 後撰集そのものか、 あるいは後撰集の編纂材料となった類似の内容の資料をもとに作られた 一 段であることが容易に推測される」と書いているように、伊勢物語の114段は後撰和歌集が成立した後に書かれたのでしょう。

(文献)
山本登朗 1996 行平から「なま翁」へ ―伊勢物語百十四段の成立―, 光華女子大学研究紀要, 34, pp.17-30

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